十種神宝（とくさのかんだから）は、日本の神話に登場する10種類の宝物のことです。
これらの宝物は、『先代旧事本紀（せんだいくじほんぎ）』の「天孫本紀」によると、天津御祖神（あまつみおやのかみ）または天照大御神（あまてらすおおみかみ）と高木神（たかぎのかみ）が、饒速日命（にぎはやひのみこと）に授けた「天璽瑞宝（あまつしるしのみずたから）」とされています。
十種神宝は、死者を蘇らせるほどの霊験（れいげん）があるとされ、霊魂に力を与え、そのパワーを増大させると信じられています。
具体的な十種神宝の内容は以下の通りです。
- 鏡2種
- 瀛都鏡（おきつかがみ）：遠い未来を映す鏡
- 邊都鏡（へつかがみ）：近い未来を映す鏡
- 剣1種
- 八握剣（やつかのつるぎ）：国家の安泰を願う神剣
- 玉4種
- 生玉（いくたま）：神と人をつなぐ光の玉
- 死返玉（まかるがえしのたま）：死者を蘇らせる玉
- 足玉（たるたま）：全ての願いを叶える玉
- 道返玉（ちがえしのたま）：過ちを正す玉
- 比禮（ひれ）3種
- 蛇比禮（おろちのひれ）：魔除けの布
- 蜂比禮（はちのひれ）
- 品物比禮（くさぐさのもののひれ）
これらの神宝は、国家の繁栄や悪霊の祓いにも使われると伝えられています。
また、「布瑠の言（ふるのこと）」という祝詞（のりと）を唱えながら十種神宝を揺らすことで、その霊力を呼び覚まし、病や傷を癒し、死者をも蘇らせることができるとされています。
現在、十種神宝そのものの所在は不明な点が多いですが、奈良県天理市の石上神宮（いそのかみじんぐう）には、その霊力が「布留御魂神（ふるのみたまのおおかみ）」として祀られているとされています。
村屋神社の宮司家（守屋家）に貯蔵されている物部系図によると、現代までの宮司家の血筋が饒速日命を祖神とする物部氏の末裔となっており、古来より御守りやお神札には十種神宝の御霊を入魂させていただいております。御皿はそれらの一例になります。
